トップページ > 小野塚彩那さんスペシャルインタビュー

vol.5 小野塚彩那 × 新潟スノーファンクラブ

オリンピックという夢を育ててくれた
新潟のスキー場。
ゲレ食もレベルが高いです。

平昌オリンピック、5位入賞おめでとうございます。小野塚選手にとって2回目のオリンピックはいかがでしたか。

何もかもが初めてだったソチオリンピックと違って、今回は2回目だったので、いろんな準備をして臨みました。この4年間で経験を積んで、何をすればいいのか分かっていたので、準備も万端にして。全力投球できましたね。

オリンピックという大舞台で、実力を出し切るというのがすごいと思います。

この4年間、ワールドカップなど1つ1つ試合をこなすことで、コンディションやメンタルのピークへの持っていき方を学んできました。今回はしっかりとしたナショナルチームのもとで戦えたのも大きかったです。

選手村は楽しめましたか?どんなふうに過ごしましたか?

試合前はコンディションを整えることに集中していました。楽しんだのは終わってからですね。同じフリースタイルの選手と2人で、選手村から出て、ソウルまで行ってきたんですよ。美味しいものを食べて、マッサージして、お買い物して……滞在時間4時間くらいの弾丸ツアーでしたけど(笑)、ばっちり楽しんできました。

閉会式も参加できましたか?

はい。テレビカメラのポジションを確認して、カメラめがけて行きました(笑)

小野塚選手はもともとアルペンスキーと基礎スキーの選手でした。小さい頃からオリンピックは意識していたのでしょうか?

私は、母方の実家が宿を経営していて、その裏がスキー場(※1)という環境で育ちました。ですから、物心がつく頃にはすでにスキーが生活の一部になっていました。小学生の頃に地元のレーシングチームに入って、大会に出るようになって。その頃からオリンピックに出たいとは思っていましたが、漠然としたものでした。
※1…石打丸山スキー場。新潟県内有数のビッグゲレンデ。湯沢ICから車で5分。

2011年に競技を転向しましたよね。

2014年のソチオリンピックでハーフパイプが正式競技になることが決まったからです。「これなら行けるかもしれない!」「オリンピックに出る!」と目標が明確になりました。

同じスキーでもアルペンとフリースタイルは全く違う競技ですよね。

そうですね。反対する声も多かったんですけど、それでもオリンピックに出たいという気持ちが強くて。滑走技術についてはアルペンや基礎スキーで培った経験が活きました。
空中技についてはゼロからのスタートだったので、最初は綿谷さんというコーチにお願いして。ソチが終わってからは、全日本のコーチも兼任している津田コーチにお願いしていて、今もずっとやっています。

初めてハーフパイプに入る時は怖くなかったですか?

アルペンスキーをやっていた時から、趣味でプロのスノーボーダーたちとハーフパイプに入っていたので、あんまり抵抗はなかったですね。

跳んでいる瞬間はどんな気持ちですか?恐怖心の乗り越え方は?

とにかく、転びたくない!という感じです(笑)。恐怖心については、とにかく転びたくないから、転ばないようにするためにはどうすればいいか考えて、練習しています。練習のほかにも、イメージトレーニングをひたすらやってます。あとは躊躇しないこと!

これからの目標や夢は?

私はオリンピックに出るという夢を2回叶えたので、次の世代にこの経験を伝えたいと思っています。世界のトップレベルで経験したこと、そこでしか見えない世界を、スキーを通じて伝えていきたいです。
現役を続けながらですが、競技人口を増やすための活動や育成もしていきたいですね。世界で見ると、それなりに競技人口はいるんですけど、日本ではまだまだ多いとはいえないので……。
先日も「Ayana’s Ski Camp」というキッズキャンプを開催したんですよ。「ハーフパイプをやりたい!」という子どもたちが増えているなっていう実感はあります。一過性ではなく、継続してやっていって、世界に送り出せる選手を育てていけたらいいなって思ってます。

小野塚選手が、今、子どもたちに伝えたいことは?

「とにかくあきらめないこと」でしょうか。スキーに限らず、頑張っていれば周囲が応援してくれるので、納得するまでやりきることですね。
そして、怪我をしないこと!私はこれまで大きな怪我をしてこなかったのが、唯一の誇れることなんですよ(笑)。プロやコーチの言うことをよく聞いて、怪我をしないことが上達の近道です。

昨年は拠点である石打丸山スキー場近くに「いなか茶屋 山彩(さんさい)」をオープンされましたよね。どんなお店ですか?

何を食べても自信を持って提供できる、わりときちんとしたお食事処を目指してます。地元のメニューも多いですね。たとえば、もち豚を使ったものとか、郷土料理のきりざい丼もあります。ローストビーフは本わさびを摺って出してます。

小野塚選手もお店にいるんですか?

昨日もお店に立っていました。試合やこういった仕事がある時以外は、基本的にお店にいます。

あのエリアはみんなゲレ食が美味しいですよね。そんなところでお店を出すとなると、大変ではないですか?

石打丸山スキー場周辺の飲食店は、スキー場の経営じゃなくて、みんな個人経営なんですよ。だからどこへ行っても美味しいですね。食事のレベルは相当高いと思います。日本で一番美味しいと思います。
でも、競合とかはあまり考えてなくて。食材にはしっかりこだわりを持って、例えば天ぷらは目の前で揚げたてを食べていただくとか、地元で採れたものをきちんとした形で提供していきたいと思ってます。

もはや、アスリートの発言ではないですね(笑)

いえ、むしろアスリートだからこそ、中途半端なものを出すのが嫌なんです。コンビニのお弁当やお菓子はもう何年も控えてますし、栄養士さんと話をした時も「アスリートとして理想の食事をしている」と太鼓判をいただきました。
先ほどのキッズキャンプでも、自分が食べてきたものをベースにしたアスリートメニューを出して、どんな食事をすればいいのか教えることができました。「食べることもトレーニング」なので。

小野塚選手は、春スキーを楽しむことはあるんですか?

私にとって春スキーというと、「山」ですね。オフピステスキー、バックカントリースキーですね。やはり現役ですので、ゲレンデだと楽しんで滑るという感覚にはなれないんです。ハイシーズンはお店もありますし。
かぐらスキー場(※2)は、バックカントリーにアクセスできるので行きますね。最近は山頂でお昼を食べたり。ゴトクとバーナーを持っていって、山頂でお湯を沸かしてコーヒーを飲む楽しみを覚えました。もちろんプロの人と一緒じゃないと危険なので、きちんとしたガイドさんと一緒に行きますが。
※2…かぐらスキー場。日本屈指の広さを誇る。シーズンも長く、5月まで営業。

春スキーの魅力って何でしょうか?

春は試合も終わって、楽しくスキーができる時ですよね。Tシャツで、軽装で滑れますし。春の雪は埋まったりもしないので、滑りやすいですよね。
新潟県は雪が多い地域なので、1月、2月のハイシーズンに八海山スキー場(※3)やかぐらスキー場の標高の高いところへ行くと、いいパウダースノーがありますよね。
そういうところは3月、4月、暖かくなっても楽しめます。今シーズンはアライリゾート(※4)もオープンしましたよね。オンピステもいいですけど、オフピステのほうが楽しみですね。
※3…六日町八海山スキー場。日本でも有数の中上級者向けスキー場。質の高い非圧雪エリアも多い。
※4…ロッテアライリゾート。オフピステも10エリア用意されており、山全体を滑る感覚を味わうことができる。

最後に、新潟県のスキー場の魅力を教えてください。

1つ1つのスキー場はそんなに大きくなくても、山頂でつながっていて大きいことでしょうか。例えば、ガーラ湯沢と石打丸山は山頂でつながっていますよね。高校生の頃は、湯沢の高校に通っていたんですけど、シーズンパスを2枚持っていて、放課後にガーラの山頂まで行って、そこから石打の家にスキーで帰る、というようなことを普通にやってましたね(笑)(※5)
※5…湯沢高原・GALA湯沢・石打丸山、3つのスキー場は相互アクセスが可能で、現在は三山共通券がある。
新潟県のスキー場は、何よりアクセスがいいですよね。私が今、石打で生活しながら活動ができているのも、アクセスの良さがあるからです。練習や試合で海外へ行くときも、高速道路がすぐ近くにあるので車で空港まですぐに行けます。反対に、東京からは新幹線に乗って、1時間半あれば「レディー、ゴー!」でスキーができちゃいますからね。
それと選択肢の多さですね。南魚沼市に限ってかもしれないですけど、あれだけのエリアにスキー場がたくさんあって、いろいろ選べるというのはすごく魅力的なことだと思います。ゲレ食も美味しいですし、何度来ても飽きないのが新潟のスキー場の魅力ですね。

Negicco

小野塚彩那さんのプロフィール

1988年生まれ、南魚沼市出身。幼少時よりスキーを始め、アルペンスキーと基礎スキーの第一線で活躍していたが、2011年にフリースタイルスキー・ハーフパイプに転向。2014年ソチオリンピックでは銅メダルを獲得。2015、2016年はワールドカップで2度の種目別総合優勝。2017世界選手権では金メダルに輝く。2018年平昌五輪では5位入賞。石打丸山スキークラブ所属。

インタビュー内で紹介されたスキー場

 

番外編 東野圭吾

vol.3 Negicco

vol.2 皆川賢太郎

vol.1 西山茉希

ページの先頭へ戻る