せな:覚えていません(笑)。お父さんの趣味がスノーボードで、3歳から始めていたので……。物心ついたときにはすでにスノーボードを履いて、雪山にいました。
るき:全然覚えてないです。初めてハーフパイプの大会に出たことも覚えていません。その時のことは写真や、親から聞いた話で知った感じです(笑)
せな:冬は、学校が終わると、家族4人、またはお母さんを除いた3人でナイターに行って、ほぼ毎日のように滑っていました。
るき:小学生の時は、妙高のスキー場だったらどこでも滑れるシーズンパスみたいなのがあったはず。それで滑っていたと思います。
せな:地元・妙高の、池の平(※1)、杉ノ原(※2)、関温泉(※3)……どこも近いので、今日はこっち、明日はあっち、みたいな感じで滑りに行っていました。お父さんとお母さんが仕事の時は、スキー場まで送ってもらって、仕事が終わったら迎えに来てもらって。ゲレンデのスタッフさんも顔見知りなので、私達だけの時は一緒に滑ってくれたりしました。
※1……池の平温泉スキー場。妙高山の山裾を生かしたワイドバーンは、子どもや初心者のレベルアップにぴったり。るき:はい。スタッフさん以外にも、いろんなライダー(※4)さんが私達のことを知っているので、一緒に滑ってくれました。
せな:妙高はそういう子どもが割とたくさんいますね。
※4……スノーボーダーの中でも、スノーボードギアのメーカーやショップがスポンサーに付いているスノーボーダーのこと。せな:いつも5月のGWくらいまで滑っていましたね。
るき:5月まで滑れるのは関温泉スキー場かな。昨年はアライリゾート(※5)もGWまで開いてました。
※5……ロッテアライリゾート。圧倒的な積雪量があり、極上のパウダーをロングシーズン楽しめる。せな:そうですね。昨年の春に行ったんですけど、スノーボードパークもまだ開いてましたし、面白かったです。非圧雪コースも多くて。でもアライのパウダースノーはまだ体験していないので、行ってみたいなと思ってます。
せな:雪が柔らかくなって、転んでも痛くないので、この時期は新しい技を習得するようにしています。何か新しくチャレンジするなら春がおすすめです。
るき:私も、雪が溶けて練習しやすい時期だと思います。スノーボードを始めるのもいいし、ハーフパイプや、キッカー、ジブにも挑戦してみてほしいです。
せな:天気もいい日が多いので、イベントが多くなりますよね。大会シーズンも終わって、みんなで楽しみたい時期なので、ゆるい雰囲気のものが多いです。
るき:春は誰でも参加できて、楽しめるようなイベントが多いですね。
せな:妙高のスキー場はそれぞれ印象が全く違うんですよね。例えば関温泉だったら、ハイシーズンでもパウダーが滑れて、春になると楽しいイベントが多くなるところ……。池の平は、最近パークがなくなっちゃたのが残念なんですけど、小さい頃から滑っている思い入れのあるスキー場だし……。杉ノ原はクオリティの高いパークがあるところ……。近くにいろんなスキー場が集まっているので、その日の気分で選べるところですかね。
るき:どこのスキー場に行くかで意見が分かれて、けんかになったり(笑)
せな:私は今年免許を取ったんですよ。妙高以外にも、湯沢の神立高原(※6)とか、県内のスキー場にふらりと出かけて滑ったりします。「今日はどこにしようかな〜」と気分で決められるのは、新潟ならではですね。
※6……神立高原スキー場。湯沢ICから約3分とアクセス抜群ながら、屈指の雪質と積雪量を誇る。せな:全日本選手権かプロトライアルで3位になるか、ポイントランキングで上位になるとプロ資格がもらえます。アマチュアでもスポンサーやサポートがついている人もいるので、そんなに大きな差はないんですが、大会で一定の成績を残さないとなれないので、子供の頃から自然に目指すようになっていました。
るき:プロになったからといって「やった!プロになったぞ!」というのはないです。小さい頃はプロになるのを目標にしていて、そしたらまた上の世界が見えてきて、もっと上を目指したいと思うようになった、という感じです。
せな:やめたいと思うところまではいかないけれど……やっぱり嫌になる時は……ありますね(笑)。でも、小さい頃は水泳とか、器械体操とか、スノーボードのほかにもいろいろスポーツをしていたんですけど、ずっと続けられたのはスノーボードだけ。今はやってきてよかったなと思っていますね。親には感謝しています。
るき:スノーボード以外にやりたいことって特にないですし……。休みの日も、上手い人の滑りの動画を見たりしています。練習中は確かに、辛いことや「なんでできないんだろう」と悔しくなることもあるんですけど、新しい技ができるようになると、その達成感やうれしさのほうが、辛さを上回りますね。それが私にとってのスノーボードの魅力です。
るき:あとは、自然を感じられるところでしょうか。リフトに乗っている間、動物の足跡を見つけたり……うさぎとか(笑)
せな:私にとっての魅力は、単純に見てかっこいいところだと思います。だから、まずはやってみてほしいですね。疲れたら休んで、おいしいごはんを食べて……。
るき:関温泉スキー場のおにぎりと豚汁は最高ですね(笑)
せな:無理強いしないことだと思います。まずは雪遊び感覚でやらせてあげてください。子どもってすぐに飽きちゃうじゃないですか。私達の親は、スノーボード以外にも、子どもが興味を持ったものはいろいろやらせてくれました。無理矢理滑らせるっていうのは、やめたほうがいいんじゃないかなと思います。
るき:防寒対策をしっかりとしてあげてほしいですね。ブーツや手袋が濡れて冷たくなると、帰りたくなっちゃうので……。防水をしっかりして、着替えを用意して、寒くならない対策をしっかりとしてあげてほしいです。
せな:例年だと、12月はオーストリアに遠征で、1〜2月からはワールドカップでスイスやアメリカを転戦。2月下旬に世界選手権、という流れになります。その間に全日本選手権などの国内戦も入ります。
せな:私は今、日本のナショナルチームのトップチームにいるんですけど、るきは1つ下のユースチームにいるんですよ。そこで結果を残して、トップチームに入ればワールドカップに出られるんです。
るき:ユースだと、まず12月にアメリカで合宿があって、1〜2月は国内戦を中心に転戦するという感じです。
るき:今の一番の目標はトップチームに入ることですね。せながオリンピックに出場した時は現地で応援していたんですけど、「私もあの舞台に立ちたい!」と強く思いました。
せな:夏はトレーニングしたり、山梨の室内のスキー場で練習したり、長野のエアー練習施設(バグジャンプ)があるところで練習しています。高校生の時は村上の日本海スケートパーク(※7)でも練習していましたね。
※ 7……村上市瀬波温泉街にある屋内大規模スケートパーク。平野歩夢のホームパークとして有名。せな:男子選手のような力強い滑りに憧れてやっているので、そういう評価をいただくのはとてもうれしいです。小さい頃から、器械体操やトランポリンをやっていた影響なのか、横回転より縦回転のほうが恐怖心がないんですよ。
せな:フロントサイド900°(横2回転半)ですね。昨年の春からフロントサイド1080°(横3回転)に挑戦していて、今シーズン中にはできるようにしたいなと思っています。
るき:私は「派手な得意技がある」というよりは、全体的な完成度を上げて勝負していきたいです。エアの高さも落とさないようにして、技の難易度も上げたいです。縦回転の技は、まだ雪上ではやっていないんですけど、バグジャンプでは練習しています。
せな:スキー場って、一日中いても楽しめる場所じゃないですか。スキーやスノーボードを滑って、雪で遊んで、ゲレンデで美味しいご飯を食べて、最後はゆっくりと温泉に入って……そうやって充実した一日を楽しんでいただきたいなと思います。
るき:春は薄着で滑れますし、開放感があります。妙高ではあちこちでイベントがあるので、ぜひ見にきてください。ライダーさん主催のイベントなどに参加して、お友達を増やしてほしいなと思います。
1999年10月5日生まれ、妙高市出身。父親、達也さんの手ほどきで、3歳からスノーボードを始める。
中学1年生の時にフリースタイルスノーボード・ハーフパイプ競技でプロ資格を取得、昨季からワールドカップに参戦。第2戦で4位になると、第3戦では準優勝。
2018年の平昌オリンピックでは決勝まで進み、8位入賞。今季はワールドカップ第4戦で3位、自身2度目の表彰台を獲得。全日本選手権では優勝、2連覇を飾る。
2001年12月28日生まれ、妙高市出身。姉のせなと同様3歳からスノーボードを始め、4歳の時初めてハーフパイプの大会に出場。
小学6年生の時にプロ資格を取得。昨季は全日本選手権で3位、ジュニアワールドチャンピオンシップでは5位に入る。
今季は全日本選手権で6位に入った。