新潟スノーファンクラブ > 吉岡大輔さんスペシャルインタビュー

vol.9 吉岡大輔 × 新潟スノーファンクラブ

大自然の中での非日常を、
気軽に楽しめるのが新潟。
大迫力のワールドカップにも注目です。

皆川賢太郎、佐々木明と並ぶ、日本アルペン界のレジェンドの一人である吉岡大輔さん。吉岡さんがスキーを始めたきっかけは何ですか?

僕は北海道のニセコ町というところで育ちました。父がクラブチームのコーチをしていて、兄も地元のジュニアチームに入っていたので、子供の頃はスキー場が遊び場でした。気がついたら雪の上に乗っていたという感じです。

アルペン競技に進んでいったのは?

アルペン競技は、兄や友達とタイムを競うのが楽しくて続けていました。スキーにはジャンプやモーグルなど、色々な種目がありますが、アルペンはとにかく「速さ」を競う、単純明快な競技です。辛いこともありましたが、タイムを更新したときの達成感や、楽しさのほうが勝っていましたね。

2020年は2月22日・23日に苗場スキー場(※1)でアルペンワールドカップにいがた湯沢苗場大会が開催されます。ワールドカップとはどんな大会ですか?

スキーの大きな大会はオリンピック、世界選手権、そしてワールドカップがあります。ワールドカップは毎年あって、ヨーロッパを中心に10回以上開催されるんですが、選手はF1のように世界各地を転戦していくんですね。だから「雪上のF1」「白いサーカス」という呼ばれ方もしています。

選手にとっては、出るのは本当に難しい。下位カテゴリーの大会でポイントを稼いで、ランキングで上位の選手しか参加できませんし、国の枠が決まっていて各国ごとに出場できる選手の数は限られています。僕は2001年から2004年にかけて参戦していたのですが、移動も多くて、資金的にも精神的にもきつかったですね(笑)。
※1…苗場スキー場。広大なゲレンデに苗場プリンスホテルなどの施設が揃った国内有数のスノーリゾート。

ワールドカップの魅力はどんなところにありますか?

やっぱりスピード感ですね。世界トップレベルの選手が集い、考えられないようなスピードで目の前を滑っていくんです。時速80kmくらいは出ているのかな。それにエッジが雪面を削る「ジャーッ」という音もすごい。とにかくダイナミックで迫力満点です。サッカーもラグビーもそうですけど、スポーツは生で観て初めて感じるものがあると思うんです。世界レベルの選手を目の前で観るというのは興奮しますし、特に子どもたちにとっては刺激になるはずです。

吉岡さんの見どころはどこでしょうか?

湯沢苗場大会で開催されるのは、回転と大回転、いわゆる「技術系」と呼ばれる種目です。アルペンスキー界の英雄、マルセル・ヒルシャーが昨シーズンで引退したので、今年は誰が勝つかわからないですね。今回は開催国枠として日本人選手も5人程度出場できるので、彼らがどこまで食い込めるかも見どころですね。

ちなみに吉岡さんはトリノオリンピック後、アルペン競技から技術選に転向されていますよね。それはなぜですか?

もともと、オリンピックに出られなくても、26歳で一度アルペン競技に区切りをつけようと思っていました。あとは友人が出場した技術選を見に行ったときに、「これは自分の滑りに合っているかもしれない…!」と思ったのもきっかけですね。

技術選は「基礎スキー」の大会ですよね。アルペンに代表される「競技スキー」とはどう違うのでしょうか?

競技スキーはタイムが全てなのに対して、基礎スキーは美しさやスピード、ターン技術など、さまざまなスキー技術が求められます。急斜面、緩斜面、コブなど、さまざまな斜面をさまざまな滑り方で滑って、「速さ」だけではなく「巧さ」を競うジャッジ競技なんです。あえてスケートに例えるならば、「スピードスケート」から「フィギュアスケート」に転向したようなものでしょうか。技術選に出場する人はほとんどがスキー指導員なんですが、「安全に滑る」という要素も重要視されています。

吉岡さんは過去3回の優勝を含め、常にトップクラスの成績を収めていますよね。

僕は今年で40歳になるのですが、この年齢でも選手を続けられるのは、スキーだからではないでしょうか。

現在ニノックススノーパーク(※2)で「吉岡大輔ニノックススノースクール」を主宰されています。どんな内容のスクールですか?

スキー・スノーボードが対象で、SAJバッジテストなども定期的に開催していますし、プライベートレッスンもあります。ただ、新潟市から近いですし、下部のワイドバーンは非常に優しいゲレンデスキー場なので、キッズ、ジュニア、初心者向けのレッスンが充実しています。
※2…ニノックススノーパーク。新潟市から40分とアクセス抜群。ナイター営業時間も長く、気軽に滑ることができるスキー場としておなじみ。

子どもはやっぱり親が自己流で教えるより、スクールに入れたほうがいいんでしょうか?

僕自身としてはプロに預けちゃいたいですね。やっぱり親だと言うことを聞かないし、「怖い」「できない」とか言って甘えちゃうので。おすすめしたいのは「ジュニアスキー教室」です。毎週日曜日の15:30~17:00、全5回のプログラムです。リフト券も付いているので、お得ですよ。

子どもたちに教える際、どんなことに気をつけていますか?吉岡さん自身も2人の小さいお子さんがいらっしゃいますが、いかがですか。

とにかく「スキーって楽しい!」ということを伝えています。自分も同じだったのですが、子供は「楽しい!」と思ったらどんどん滑って、勝手に上手くなりますから。

あとは恐怖心を与えないことでしょうか。おすすめなのが、子どもをフラフープの中に入れて、一緒に滑ること。親が後ろ向きに滑れるのなら、親がフラフープの中に入って滑り、それを持たせるのもいいですね。

僕の子どもたちは、上の子がリフトに乗れるようになったところで、下の子はまだ雪遊びです。実は僕自身は仕事や練習であまり一緒に滑れなくて、主に妻が子どもと滑っています。

とにかく親の仕事は「子どもの気持ちを上げていくこと」だと思います。子どもが親にやらされていると思うと、上手くならないです。スキーで嫌な思いをしてほしくないですから、防寒はしっかりする、吹雪いたら屋内に入る、雨が降ったら思い切って切り上げる。おかげで今はスキーが楽しいと思ってくれているようですが、妻には「パパは甘い!」と言われますね(笑)。

吉岡さんは、スキーのどういったところが魅力だと思いますか?

いくつかありますが、まず、スキーは「生涯楽しめるスポーツ」であるということですね。スキーは、止まることさえできれば基本的には勝手に進んでくれるんですよ。体力がなくても楽しめる。僕のスクールでも、最近ではシニアの方が増えてきました。「孫と一緒に滑りたい、孫に教えたい」と、お仕事を引退された方が平日練習しに来ています。

あとは、日常にはない、非日常の景色が観られることでしょうか。ニノックスは頂上まで行くと、日本海が見下ろせるんですよ。晴れた日には佐渡もくっきり見える。あの景色はお気に入りですね。

子どもにとっては、遊び感覚で楽しみながら、いろんな運動能力が鍛えられます。まずバランス感覚。筋力、瞬発力、判断力…新潟の子どもたちは近くにいい環境があるのに、行かないのはもったいないですよ。

吉岡さんは北海道出身ですが、新潟のスキー場はどんな印象でしょうか?

どのスキー場もアクセスがいいですよね。東京からも2時間かからずに来られるし、北海道のように飛行機も乗らなくていい。ガーラ(※3)なんて東京から新幹線に乗って日帰り、手ぶらで行けちゃいますもんね。
※3…GALA湯沢スキー場。新幹線の駅直結のスキー場で、スキーをしない人のための雪遊びメニューも充実している。

それに温泉があることでしょうか。新潟にいると、当たり前のように「スキー」と「温泉」はセットになっていますけど、実は他ではそんなにないんです。赤倉温泉のように、スキー場の近くに昔ながらの温泉街の風情があるところもいいですね。

好きなスキー場はありますか?

やっぱりまずはニノックスです。山の頂上から日本海に向かって滑り降りるのは、非日常の感覚になれます。中越では、八海山(※4)の非圧雪コースも楽しいですね。かぐら(※5)や神立(※6)も行きます。かぐらはサマーゲレンデも行きますよ。上越では赤倉温泉(※7)、池の平(※8)、ロッテアライリゾート(※9)…妙高のスキー場は雪質が良いですね。軽くて、北海道とさほど変わらない上質のパウダーが楽しめます。あとはスマイルリゾートつながり…という意味ではないんですが、舞子(※10)も楽しいですね。上級者も滑れて、初心者向けのコースも多い。高速インターからとにかく近いし。
※4…六日町八海山スキー場。日本でも有数の中上級者向けスキー場。質の高い非圧雪エリアも多い。
※5…かぐらスキー場。日本屈指の広さを誇り、5月まで営業。夏は人工スノーマットを敷設したサマーゲレンデも営業。
※6…神立スノーリゾート。湯沢ICから約3分とアクセス抜群ながら、屈指の雪質と積雪量を誇る。
※7…赤倉温泉スキー場。パウダーの非圧雪コースから、ワイドでロングな初心者ゲレンデまで、充実したコースが魅力。
※8…池の平温泉スキー場。妙高山の山裾を生かしたワイドバーンは、子どもや初心者のレベルアップにぴったり。
※9…ロッテアライリゾート。圧倒的な積雪量があり、極上のパウダーをロングシーズン楽しめる。
※10…舞子スノーリゾート。塩沢石打インターからわずか1分。キッズパークやそり専用コースも充実した「遊べるスキー場」。

最後に、このサイトを見ている皆さんにメッセージをお願いします。

そうですね、新潟県内の皆さんでは、県外に行ったときに「新潟ならスキーかスノボができるでしょ?」と言われたことはありませんか。今は遊びの種類が豊富になって、新潟でもスキーをやらない子どもが増えていますが、こんなにたくさんのスキー場が身近にあって、しかも充実しているのはとても恵まれた環境なんです。最近はスキー・スノボだけじゃなく、道具がなくても遊べるところが増えているので、ぜひゲレンデに足を運んでほしいですね。

新潟県外の方に向けては、やはりアクセス抜群なところを伝えたいですね。東京から2時間のところに雪があって、温泉があって、おいしいお米とお酒も…。レンタルも今は最新のギアや、おしゃれなウエアが揃っていますし、車や道具がなくても、手ぶらで行けるのが新潟のスキー場の特徴ではないでしょうか。もっと気軽に、大自然の中での非日常を楽しんでもらいたいですね。

吉岡大輔

吉岡大輔さんのプロフィール

1980年生まれ、北海道ニセコ町出身。2004年、全日本スキー選手権大会アルペンスキー競技男子大回転で優勝。
2001~2005年、ワールドカップ出場。2006年のトリノオリンピックでは大回転で24位。
以降は技術選に転向し、現在も活躍中。2018年には自身3度目の優勝を飾る。
現在、新潟県新発田市のニノックススノーパークで「吉岡大輔NINOXスノースクール」を主宰。

インタビュー内で紹介されたスキー場

vol.10 山本浩司

vol.9 吉岡大輔

vol.8 冨田せな るき

vol.7 本間勲

vol.6 北原里英

vol.5 小野塚彩那

番外編 東野圭吾

vol.3 Negicco

vol.2 皆川賢太郎

vol.1 西山茉希

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